答えて応えて!FP

第104回 利息の取り方により実質の金利が異なる(2012年04月30日)

お金を借りると利息を取られます。
利息の後払いと天引きでは、名目上の金利は同じでも実質上の金利は異なります。どこがどう違うのか見ていきましょう。


■ 上限金利は利息制限法が定める
利息制限法という法律は、貸金業者がお金を貸し付ける際の金利を制限しています。


 元本が10万円未満の時       → 利息の上限は年20%まで
 元本が10万円以上100万円未満の時 → 利息の上限は年18%まで
 元本が100万円以上の時       → 利息の上限は年15%まで


■ 利息の取り方と実質金利
@利息の後払い


実質金利 = 10万円/100万円 × 100 = 10%



A利息先取り(天引きと言う)


実質金利 = 10万円/90万円 × 100 = 11.1%



B手数料、紹介料を取る場合


実質金利 = 13万円/97万円 × 100 = 13.4%


※手数料、紹介料などの名目は何であれ、元金以外は利息と考えます。




■ 必ず年利にして確認
「審査なし」「無担保」「即日融資」など、資金繰りに困っている人がすぐに飛びつきたくなるような
誘い文句が並んだチラシをよく見かけます。借りやすさをアピールするため、利息を年利ではなく、
「1万円借りて利息は1日わずか8円とか」「月利1.5%」と書いたチラシも少なくありません。
確かにこう書かれると利息が安く感じますね。

例えば、10万円を借りた場合、利息は「1万円借りて利息は1日わずか8円」(@)なら、月2,400円(30日)、
「月利1.5%」(A)なら1,500円です。月々これくらいの利息なら高くないと大半の人は思うでしょう。
しかし、これを年利に換算(1年後にまとめて利息を払うと考えればよい)してみてください。
@の例は、年29.2%となり利息制限法の上限金利違反であり、Aの例は、年18%でこれはカード会社の一般的な
ローン金利となります。年利に計算し直すことにより「何だ!ちっともお得ではないじゃないか」とわかるのです。

悪質業者にひっかからないためにも、1日当たりの利息や月利で表現されている場合は、
必ず年利に計算し直すことをお勧めします。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

この記事担当のFP

菅田 芳恵 すがた よしえ

2005年 グッドライフ設計塾開業。
CFP(日本FP協会上級フィナンシャルプランナー)、
1級FP技能士として、コンサルティングや執筆、講演活動で活躍中。


菅田 芳恵 人気記事

執筆記事  30〜21 20〜11 10〜01

FP記事紹介

他の方法でローンを探す

ページの先頭へ