答えて応えて!FP

第137回 車と借金(2012年10月24日)

Q.現在、車のローンが150万円と、クレジットカードとカードローンの借金もあります。返済がとても厳しくなってきました。何か良い方法はあるでしょうか?

A.車の売却を視野に入れてみましょう。

多くの若者が車をローンで買います。若いうちは貯蓄も少なく、100万円以上する車をローンを組んで計画的に返済して、いずれは自分のモノにしていくという方法はとても良い手段だと感じますが、まだ貯蓄も給与も少ない20代のうちは車以外にもローンを組んでしまうと、生活が苦しくなり返済が滞ってしまいかねません。相談者のような場合、どのように返済していけばよいのでしょうか?考えてみましょう。

<車を売却するすることを考える>
  ローンを組んで車を買っている場合、車検証に記載されている所有者はクレジット会社になります。ローンを完済するまでは、自分の車ではないんですね。なので、勝手に売却することはできませんので、まずはクレジット会社に問い合わせてみましょう。車を販売したディーラーや業者に相談してもいいですね。
 売却代金をローン返済に充て、完済することで終了しますが、問題はローンの残債が車の売却代金より上回った場合です。150万円の残債に対して車が100万円にしかならなかったら50万円の借金が残ることになります。当初、車を買う時に頭金を入れていなかった場合、こういった現象がおき、こういった状況の事を「オーバーローン」と呼びます。

   通常は残った50万円を一括返済することになりますが、その50万円を自分で用意できない場合どうするのか?  @新たなローンを組む・・・車のローンが100万円減ったことで、残債は減りますが、新たに組むローンは車のローンとは違い金利が高くなる事がほとんどです。おまとめローンは注意が必要です。他のローンとまとめる事は、金融機関にとってはリスクを負うわけですから、金利の上昇は免れません。  A親に肩代わりしてもらう・・・ご両親の力を借りることができたら幸いですが、2度とこのような不始末を負わせないと約束し、ご両親の大切な老後資金ですので、きちんと返済していく事を忘れないことが大事です。

 もし、ご両親に相談し借金返済を少しでも肩代わりしてもらえる場合は、金利の高いキャッシングやカードローンから繰上げ返済をしていきましょう。車のローンは2〜5%程度ですが、キャッシングやカードローンは15%前後と高くなるので、金利の高いところから返済していくのは鉄則です。そのような可能性がある場合は車を手離さずに済みます。

車にかかるお金を少し考えてみましょう。車は耐久消費財とよばれます。冷蔵庫などの家電製品と同じように想定耐用年数が1年以上で比較的購入価格が高いものとして扱われます。消費財ですから、消費されていきます。しかし、消費されていくにも関わらず、車はとても高価です。軽自動車でも100万円以上、普通車なら一般的に150万円〜400万円のお金が必要になります。更に維持費がとても高く、車両代と維持費を総計すると生涯にかかるお金は1,500万円超といわれます。2台保有すればその倍ですね。
 車を買う前に今一度、本当に必要か?カーシェアリングやレンタカー、公共機関の利用。そして買った後の支払いや、これだけのお金を投資するのに見合った車の使い方ができるのかどうかしっかり考える必要がありますね。

★自動車にかかる費用   (単位:万円)

内訳 1年あたりの費用
車両代200万円(10年毎に買替え)
20
車検費用16万円(2年毎)
8
自動車重量税
3
自動車保険
5
ガソリン代(月1万円)
12
タイヤ等消耗品費
2
合計
50

30年間で1,500万円

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この記事担当のFP

二宮 清子 にのみや きよこ

日本FP協会会員 ファイナンシャルプランナー(AFP)
家計の見直し・節約・貯蓄の重要さ、更に運用の必要性を伝え、
強い家計にできるようにサポート、また住宅ローンアドバイザーの資格も取得し、
住宅購入をきっかけにお客様のライフプランのアドバイスを行っている。


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