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第158回 住宅ローン返済が厳しくなった時は? 〜「金融円滑化法」の存在(2013年07月25日)

あまり聞き慣れない「金融円滑化法」ですが、住宅ローンの返済が厳しくなった時に返済条件見直しに関係する、私たちにとって実は身近な法律なのです。

2009年12月4日に施行された「中小企業円滑化法(金融円滑化法)」は、不景気で資金繰りが厳しくなった中小企業の救済策として打ち出された法律で、住宅ローンの利用者も対象になっています。施行当時は2011年3月末までの時限立法でしたが、2013年3月末までに延長されています。

住宅ローンの返済条件変更は、以前積極的には対応されていませんでしたが、この法律の影響で銀行対応をしてもらいやすくなっています。例えばリストラや収入ダウンなどの理由により住宅ローン返済が困難になった場合、銀行窓口に行くと、返済条件の変更として、返済期間の延長や元金据え置き期間中の金利引き下げ、一定期間返済額の減額、ボーナス分の比率ダウンなどの手続きに応じてくれるケースもあるようです。

この「金融円滑化法」の施行状況として、住宅ローンの返済条件の変更の申し出は、2010年3月末から比較して1年後には四倍強の約21.8万件と増加しました。返済条件の変更で多い内容は以下二つとなります。

<返済期間の延長>
最も多い対応です。現在の返済期間よりも、さらに最長15年での延長対応をします。その後の経済 状況によってさらに数年の延長も可能です。

<元金据え置き期間中の金利引き下げ>
元金据え置き期間中は、例えば現在4%の金利で借りていれば3%まで引き下げる措置です。これは金利 引き下げや金利の減免ではなく、据え置き期間終了後にはその間の利払いがそのまま加算されます。

どちらの方法にしても、一定期間は月々の支払額が減りますが、総支払額が増えていきます。あくまでも「金融円滑化法」というのは一時的な支払いを軽減するだけで、何かしらの事情で住宅ローンの延滞し、家を失う人を少なくするのが目的なのです。 ですので、まず家計の支出と収入のバランスを再確認して、支出の中で削減できるものはないだろうかなど、固定費の見直しをすることが先決です。ただし、家計見直しだけでは解決できない場合には、借入している金融機関窓口にぜひ相談してみましょう。


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この記事担当のFP

水野 圭子 みずの けいこ

ファイナンシャル・プランナー
CFP(r)(日本FP協会認定)
1級FP技能士
K'sプランニング 代表
一般社団法人あんしんLifeコミュニティ 代表理事。


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