答えて応えて!FP

第029回 専業主婦でもカードローンを利用できますか?(2011年08月22日)

Q,最近、収入に応じて借入額が決まると聞きましたが、専業主婦なので収入がありません。
私でもカードローンは利用できますか?

A,主婦の方には配偶者貸付という例外があります。


2010年6月に、多重債務を減らすために支払い能力を超えたカードの利用を制限し、
年収に応じた適正な利用限度額を設定しようという総量規制という法律が施行されました。

 どういうことかというと、年収の3分の1を超える融資を原則禁止し、返済能力を超える過剰な貸し付けを行わないようにするための新しい制限を設けますということです。これまではキャッシングの限度額に年収による制限はなく、あくまで消費者金融やカード会社の審査に委ねられてきました。総量規制はこのような借入が多重債務の原因になるとの考えから導入されたものです。

 そうすると、専業主婦の人や事情があり収入がない人はどうなるの?と思いますよね。
 総量規制は原則として個人ごとに年収等の3分の1を基準としますが、配偶者と併せた年収の3分の1以下の貸付けが、例外の貸付けである配偶者貸付けです。

 配偶者貸付けにおいては、配偶者の同意と配偶者(夫婦関係)であることを証明する書類が必要になりました。
 例えば、夫の年収が250万円、妻の年収が50万円の場合、妻は夫(配偶者)の年収と併せて、300万円の3分の1、すなわち上限100万円の借入れが可能ですが、夫の同意と住民票など夫婦関係を証明する書類の提出が求められます。また、この場合、妻が100万円の借入れをすると、夫は貸金業者からの借入れが制限されます。


 つまり、カードローンを利用することはできるけど、夫の了解が必要になり、さらに限度額ができましたという事です。
どうですか?ホッとしましたか?それとも夫の内緒のお金が使えないと困りますか?
そもそも、お金の事は夫婦でクリアにしておくべきだと思います。そうでないと、不仲の原因になります。
司法統計に基づく、離婚調停の「申立理由」でもお金が原因の離婚は男女とも5位以内と上位に入っています。

消費者ローンの利用目的は「日常の生活費の補填」が39%〜56%(株式会社NTT経営研究所より)を占めてることがわかってます。どうかこの配偶者貸付けの夫の同意や借入制限という条件が、離婚の原因を増やさない為のひとつの策になってほしいと願います。

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この記事担当のFP

二宮 清子 にのみや きよこ

日本FP協会会員 ファイナンシャルプランナー(AFP)
家計の見直し・節約・貯蓄の重要さ、更に運用の必要性を伝え、
強い家計にできるようにサポート、また住宅ローンアドバイザーの資格も取得し、
住宅購入をきっかけにお客様のライフプランのアドバイスを行っている。


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