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第037回 総量規制って何?(2011年09月29日)

Q,「総量規制」について詳しく教えてください。

A,総量規制とは個人の借入総額が、原則、年収等の3分の1までに制限される仕組みを言います。


Q1.総量規制とは?
平成22年6月より完全施行された「改正貸金業法」に含まれる項目のひとつで、返済能力を超える借入の抑制が目的です。
総量規制では個人を対象に、総借入残高が年収の3分の1を超える貸し付けなど、返済能力を超えた貸し付けが禁止になります。
たとえば年収300万円の人は、100万円までしか借りられないよう制限されます。
また、借入残高の総額(複数社の利用があればその合計)が年収の3分の1を超えていた場合「超過分の返済が終わるまで新たな借入ができない」と、いった制限もあります。なぜ、3分の1かというと、それが家計から借金返済に充てる事ができるギリギリの割合ということですね。
 
Q2.なぜこのような制度ができたのか?
この総量規制は、キャッシングを利用し過ぎたことによって自己破産者が増えたことや、ヤミ金融による被害が大きくなってきたことを受けて、これを抑制するために法案化されました。一時期、ヤミ金融による激しい取り立てがニュースになったこともあり、そのキャッシング・カードローン返済の取り立てに耐え切れず自殺する人や自己破産する人が増加したことが社会問題となりました。この対策として議論が過熱し、改正貸金業法に伴って総量規制が導入されることになったのです。


Q3.年収はどのように決められるの?
総量規制の制度によって、貸金業者1社あたり50万円以下の貸付、または貸金業者2社以上あたり100万円以下の貸付を受ける場合、利用者は、貸金業者に対して、年収を証明する書類を提出しなければなりません。
年収を証明する書類には、サラリーマンでしたら年末にもらう源泉徴収表・給与明細書、個人事業主でしたら確定申告書・納税証明書、年金受給者でしたら年金証書・年金通知書などになります。
パートやアルバイトの場合でも給与明細書の提出が必要になりますのでキチンととっておきましょう。


Q4.専業主婦はどうなる?
総量規制は原則として個人ごとに年収等の3分の1を基準としますが、配偶者と併せた年収の3分の1以下の貸付けが、例外の貸付けである配偶者貸付けです。
配偶者貸付けにおいては、配偶者の同意と配偶者(夫婦関係)であることを証明する書類が必要になります。


Q5.すべての借金に制限があるのでしょうか?
<総量規制対象外>
・住宅ローン
・自動車担保ローン
・高額療養費の支払いのためのローン
・銀行のカードローン(銀行は貸金業者ではないという考え)
・有価証券担保ローン
・不動産担保ローン
これらは担保が設定されていたり返済原資が明らかなため、総量規制の適用外になります。

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この記事担当のFP

二宮 清子 にのみや きよこ

日本FP協会会員 ファイナンシャルプランナー(AFP)
家計の見直し・節約・貯蓄の重要さ、更に運用の必要性を伝え、
強い家計にできるようにサポート、また住宅ローンアドバイザーの資格も取得し、
住宅購入をきっかけにお客様のライフプランのアドバイスを行っている。


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