答えて応えて!FP

第067回 年末調整ってなあに?(2011年12月28日)

Q.年末調整ってどういうものですか?毎年お金が戻ってきますけど、
中には税金を更に支払う可能性もあると聞きました。どういうことでしょうか?


A.年末調整とは、毎月引かれている所得税を年末に調整しているものです。税金を納めすぎた場合には還付があり、
足りない場合には徴収されます。

毎年、冬になると年末調整の書類が配られ、自宅では提出するべき保険会社から届いてるはずの書類は
どこやたっかなぁというサラリーマン家庭なら毎年恒例の行事ですね。そして多くの方が12月のお給料に還付金が
含まれているので手取りが少し増え、ありがたい年末調整という感じで捉えている方が多いのではないでしょうか。

 そもそも、年末調整ってなんでしょうね?年末に、何のために何を調整するのか?理解しているでしょうか?

■ありがたい年末調整
仕事をして儲かったお金(つまりお給料)には所得税という税金をかけられ支払う義務があります。
元来、所得税の申告は本人がするのが原則になっています。
自営業の方は自分で「いくら儲かったので所得税を払います」という作業を2月に行ないます。これを確定申告といいます。

しかし、サラリーマンは元来自分ですべき確定申告という事務作業を
勤務先が代わってやってくれるというありがたい制度があり、それを年末調整と呼びます。

■何を調整するの?
サラリーマンの場合、前年度の所得額から「納めるであろう所得税額」を概算で計算して、
月割りにしたものを毎月のお給料から引いていきます。あくまで概算なので、実際の所得額が確定する12月に帳尻を
合わせて、多く納めすぎている場合は還付金があり、不足する場合は追加で徴収されます。

■なぜ年末なの?
個人の場合、税金の計算は1月1日から12月31日で計算します。したがって最終月の12月つまり年末に調整されます。 
■控除とは?
結婚などで扶養する家族が増えた場合は扶養控除、保険料を多く払っている場合には保険料控除という
少し所得額を減らしてあげますという制度があります。所得額に対して税率を掛けるので少し税金も安くなりますね。
例えば、個人年金保険料控除は老後資金は個人で準備してもらいたいう国の思惑から。
地震保険料控除は地震保険に入って欲しいという思惑から所得税にメリットがあります。
これらの保険料控除を受ける場合には保険会社が発行する控除証明書を添付する必要があります。


国としては、人口の多いサラリーマンが2月にどっと税務署に来られても大変。
又、申告しないで脱税する人が増えても困る、追加徴収の手間も省けるということで、会社が代わってしてくれると助かりますよね。しかし、そのおかげでサラリーマン世帯は税金を納めているという感覚や税金に対する意識の低下にも繋がっているように感じます。

 
■年末調整に必要な書類

生命保険料控除   生命保険料控除証明書(一般用)  
生命保険料控除証明書(個人年金用) 
地震保険料控除 地震保険料控除証明書  
住宅借入金特別控除   給与所得者の住宅借入金等特別控除申告書
住宅取得資金に係る借入金の年末残高等証明書
社会保険料控除   本人と生計を一つにする親族が1月1日〜12月31日に支払った国民健康保険や国民年金の金額(証明書類)
前職がある場合 その給与所得の源泉徴収票  

 

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この記事担当のFP

二宮 清子 にのみや きよこ

日本FP協会会員 ファイナンシャルプランナー(AFP)
家計の見直し・節約・貯蓄の重要さ、更に運用の必要性を伝え、
強い家計にできるようにサポート、また住宅ローンアドバイザーの資格も取得し、
住宅購入をきっかけにお客様のライフプランのアドバイスを行っている。


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