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第093回 お金を借りる時の借金の返済計画(2012年03月12日)

Q:お金を借りる場合の返済計画について、注意事項があれば教えてください。

A:自分の収入や将来を考えて無理のない返済計画を立てることが肝要です。


借金をするときに、自分の返済能力を考えなければならないのは当然です。
しかし、借金をした後も、もう一度自分の返済能力に無理がないか考えてみることが必要です。
ここが抜けているといつしか無理をして返済が滞るという結果になりかねません。


■ 無理のない額での返済
借金をした後、何度も返済について考えることは重要です。
そして問題があれば、貸主との間で決定した返済方法や返済額について見直しをしなければなりません。
無理をして支払い続けるようなことがあると、必ずいつかは破綻して、借金の返済のために
借金を重ねるような状態になってしまうのです。


■ 不透明な将来
日本は長い不況時代で、お給料はずっと変わらないままか、賃金カットさえ行われています。
また、一度会社に就職すれば定年まで働き続けることができた終身雇用制度も崩壊し、
誰もがいつリストラされるかもわからず、不安を持ちながら生活している状況です。
借金をするときは、十分返済できるから大丈夫と思っても、後になって支払うことができなくなることも
まれではなくなったのです。特に残業代を含めてお給料を考えていた人は、
この不況で大幅に下がってしまい、生活すら困窮しているのも現実です。
このような時代に多額の借金をすることは、常に破綻の危険が伴うという認識を持つべきでしょう。
多額の借金でなくても同じです。金利が高い借金を返済できずに延滞をすれば、あっという間に何倍にも膨れ上がります。


■ 常に返済方法や返済額を見直す
契約をした以上、返済の約束は守らなければいけません。
しかし、借金をした後に状況が変わり、最初の約束通りの条件で支払いを続けていくことが困難な場合があります。
契約したときには考えていなかった支出が増加することもあるのです。
例えば、子どもができた場合であれば、一人増えるのですから当然に生活費は大幅にアップします。
また、親が要介護状態になれば、介護費用等も支出しなければいけません。介護のために会社を休んだり、辞めたりする場合もあるでしょう。さらには、自分自身不意の病気になったり、リストラされて職を失うかもしれません。
こんな状態になったら、いつかは元の状態に戻るとそのままにしておくのではなく、
すぐに貸主に連絡をして返済方法や返済額を見直してもらって下さい。


■ 返済の見通しが立たないときは
借金の返済計画を見直しても、収入から考えて返済計画が立たない場合があります。
こうした場合に、まず考えるのがどこかでさらに借金ができないかということです。
しかし、現状でも返済計画が立たないのですからさらに借金をすることは危険です。
このような状態になったら、できるだけ早めに貸主と交渉してください。
それでも無理な場合は、調停を申し立てるなどすれば、ほとんどの場合、借金の総額が減額されたり、
支払期間を延長して月々の支払い額を下げてもらうことができるでしょう。
調停なら調停委員がアドバイスしてくれますので、弁護士に頼まなくても本人だけで大丈夫です。
必要なことは、決してあきらめたりしないことです。
最悪の場合でも弁護士等の専門家に相談をすれば必ず助かる方法はあります。

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この記事担当のFP

菅田 芳恵 すがた よしえ

2005年 グッドライフ設計塾開業。
CFP(日本FP協会上級フィナンシャルプランナー)、
1級FP技能士として、コンサルティングや執筆、講演活動で活躍中。


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