第129回 家族の借金の対処法(2012年08月29日)

第129回 家族の借金の対処法(2012年08月29日)

Q.親に借金があり、その返済の為に私名義でカードローンを申し込んでくれと頼まれました。 親の手助けをしたいとは思いますが、私自身返済ができるか不安です。 どうすればいいでしょうか?

A.借金の返済を肩代わりすることが、本当の手助けになるわけではありません。
家族内の借金問題で悩まされている方は意外と多く、更に詳しくお話を伺うと親から借金を勧められたということもよくあります。親自身が借金体質なんですね。  

クレジットカードやカードローンで、お金や品物をずるい方法で手に入れる道具や手段にしてしまう、これは返済の見通しがたっていないのに更なる借金をする事も同じです。このように過ごしていると、お金の負のパワーはますます増大し、結局は自分や家族が辛い目に遭います。  
以前から問題になっている、生活保護の不正受給もずるい方法でお金を手に入れている代表格ですね。

本当に困窮している人の生活扶助になるべきお金が、誰かの贅沢品を買う為のお金として使われている、とても悲しい出来事です。  


お金は正当な労働の対価として初めて手にできるものです。正当な労働とは、誰かを傷つけたり、騙したりすることではなく、世の中の役に立つということです。小さな頃から親のそういった背中を見ていれば、子はきちんと育つものですが、親自身がずるい方法でお金や品物を手に入れていれば、子はそれが当たり前と感じることでしょう。
そうやって負の連鎖は続いていきます。どこかで自覚し断ち切らなければいけませんね。

★家族としてできること
①借金の肩代わりはしない、又は一度だけ肩代わりしてきちんと返済してもらう。  
借金の肩代わりをする事は、本人が自分の力で困難を切り抜ける機会を奪うことになるので、あまりお勧めしません。しかし、大切なご家族が窮地に追いやられているのを見過ごすことはできないという方がほとんどです。ご家族の心情も考えると、一度だけなら肩代わりするのもいいかもしれません。

立派な大人ですから、2度とこのような不始末は負わせないと約束させ、計画的にきちんと返済してもらいます。家族間であれ借用書を利用してもいいですね。

借りる側も強くなる必要がありますが、貸す側も感情に流されずに毅然とした態度でいる事が本人の為になり、そして自分の生活を守ることになります。


②消費者センターや法テラスなどの専門家に相談する。  
親戚や身内に相談して話を複雑にするより、客観的に判断できる専門家に相談する事をお勧めします。内容によっては法的手段が必要になる事もあります。一人で悩まず、相談してみることで、解決が早いこともあります。  
現在、フリーターやニートと呼ばれる若者は240万人もいます。生活費を老親に負担させる事は、現代の豊かな時代では、老親が我慢すればまだ可能かもしれません。
しかし、30年・40年後に自分が老親になった時、年金もなく(フリーターやニートは納めていないからもらえませんね)もう豊かな時代とは言えないかもしれません。

そうなった時、自分と同じように子どもがお金にだらしない大人になっていたらどうなるでしょう?
今、自分がしっかりしなければ、永遠にお金に不自由して生きることになります。

この記事担当のFP
二宮 清子(にのみや きよこ)