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第165回 ブラックリストって結局何? (2013年11月25日)

ブラックリストというと、「お金を貸してはいけない」「カードの審査に通してはいけない」人たちの情報が、ずらっと並んでいる紙のリストが想像されるのではないでしょうか。実はブラックリストという事故情報のみを収集したリストは、この世に存在していないということを、ご存知ですか。

カード利用者の申し込み記録、利用記録といった信用情報は、信用情報機関に登録されています。
そのうち、「長期間支払が遅れた」「自己破産した」といった事故情報が登録されることを「ブラックリストに載る」と俗に言われています。
そして事故情報を、「支払遅延のリスクが高い可能性がある人」として、信用情報機関のデータを通じて、ローン業者間で共有しているのです。

事故情報が記録されてしまうと、原則はショッピングローン・カードローン・自動車ローン・住宅ローンなどの手続き、および発行ができなくなり、借り入れも困難になります。
しかし一定期間(信用情報機関や情報にもよりますが、一般的には5〜10年間)経過すれば、事故情報は消えるので、新規でカードを作ることも、ローンを組むことも可能になります。

それでは、どのようなことをすれば、事故情報として信用情報に登録されてしまうのでしょうか。
代表的なものを以下にあげます。

<延滞>
・3ヶ月連続で延滞が続いた場合
・約定日(支払期日)から61日以内に返済がない場合

たった1回数日支払が遅れただけでは、事故情報としては登録されないようです。
しかし、延滞の事実としての情報は残り、信用情報として以降の審査に影響があるので、注意が必要です。
また、事前にカード会社に「○日遅れます」と説明したとしても、記録は残ります。
ただし、全く連絡をしないよりは、カード会社の担当者の持つ印象は良くなるかと思います。

また、見逃しがちな延滞に、学生時代に借りた「奨学金」と、分割払い契約をした「携帯電話」があげられます。
借金の意識が薄い場合が多く、これらの滞納者は年々増加しているのです。

<債務整理>
「自己破産」や「個人再生」「任意整理」などといった法的な借金の整理をした場合、一定期間「ブラックリスト」に載った状態になります。
業者に払いすぎたお金を返してもらう「過払い金請求」の事実については、通常ならば事故情報としては登録されないはずですが、業者によっては登録する可能性もあり、一概にも「ブラックリストに載らない」とは言えないようです。

事故情報が登録されてしまい、住宅ローンが組めないなどライフプランに影響をきたすことのないよう、ローンを利用する時には、「必ず約定日までに返済する」ことを心がけるようにしましょう。


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この記事担当のFP

伊藤 亮太 いとう りょうた

2007年11月 スキラージャパン株式会社設立。取締役に就任。
東京スクールオブビジネス非常勤講師(ファイナンシャルプランニング)
ファイナンシャルプランナーとして活動中


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