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第166回 支払う利息と預ける利息を考える (2013年12月25日)

Q.グレーゾーン金利が無くなりどの位、金利面でメリットがあるのか教えてください。

A.金利面のメリットは大きいと言えます。他の商品の金利も一緒に考えてみると面白いです。

2006年の貸金業法の成立で出資法の上限金利が年29.2%から年20%に引き下げられグレーゾーン金利が撤廃されました。
どの位、金利面で良くなったのか計算してみましょう。


<100万円をカードローンで借りて毎月33,000円返済する場合>

  年率27%の場合 年率15%の場合
支払い回数

52回(4年4カ月)

39回(3年3カ月)

元金

1,000,000円

1,000,000円

利息

698,443円

264,742円

総返済額

1,698,443円

1,264,742円



金利が低くなるとこんなに差が出るんですね。借りる側にとっては有難い事ですが、貸す側にとってはそれだけ収益が減るということです。

基本的に金融の世界での貸出し金利は日本国債の長期金利と密接な関係があります。
日本国債の金利がとても低い今、住宅ローンや定期預金などの金利もこれまでにない程低くなっています。
しかし、カードローンやキャッシングなどでは連動していないのが現状です。

  日本国債の長期金利 住宅ローンの変動金利 定期預金の金利
1991年5月

7.70%

8.50%

6.00%

2000年5月

1.80%

2.37%

0.30%

2012年5月

0.88%

0.86%

0.03%



<100万円を銀行の定期預金に預けた場合>

  定期預金の金利 ついた利息
1991年5月

6.00%

60,000円

2000年5月

0.30%

3,000円

2012年5月

0.03%

300円


100万円を定期預金にしても今ではたった300円の利息でここから20%税金が引かれますので実際は240円となります。なかなかシビアですね。
いっぽう10万円を上限金利の年率20%で借りたら、最初の1カ月の利息が1644円。
借金の上限金利が下がったとはいえ、借りる金利20%と預ける金利0.03%の差は、なんと666倍!悩ましい限りです。
面白い数字ですが、自分が借りたお金は果たしていくらの金利を支払うのか計算することはとても大事ですね。
各金融機関、カード会社、消費者金融で返済シュミレーションができるのでそれらをしっかり利用しましょう。
「借りれればどこでもいいや」という思考になっている時は「お尻に火が着いた」状態なので多重債務のサインになります。
重々気をつけてください。


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この記事担当のFP

二宮 清子 にのみや きよこ

日本FP協会会員 ファイナンシャルプランナー(AFP)
家計の見直し・節約・貯蓄の重要さ、更に運用の必要性を伝え、
強い家計にできるようにサポート、また住宅ローンアドバイザーの資格も取得し、
住宅購入をきっかけにお客様のライフプランのアドバイスを行っている。


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