答えて応えて!FP

第164回 借金は悪か? 善か? (2013年10月24日)

Q.貸金業法が施行されて、逆に借りれなくなった人はどうなるのでしょうか ?

A.今こそが「借りる」体質から脱却する良いタイミングです。

貸金業法が2006年から段階的に施行され、2010年には完全施行されました。
その間、多重債務者はピーク時の2003年の230万人から半分以下に半減したと言われています。
借金を苦に自殺に追い込まれる人が多く、それを防ぐための貸金業法の施行でした。
しかし貸金業法が施行されたあと多重債務者は減っても、借入れの審査が厳しくなったことで、短期の借入れが困難になり事業や生活資金に困り結局は借りれないという理由での生活や経済問題の自殺者は減少していません。


  多重債務 経済・生活問題
2007年

1,973人

7,318人

2008年

1,733人

7,404人

2009年

1,630人

8,377人

2010年

1,306人

7,438人

※統計>生活安全の確保に関する統計等>自殺の概要資料


はたして借金は悪でしょうか ?
むしろ借金を上手く利用して仕事や生活がスムーズにいくのなら・・・とも感じます。
結局は借金を悪にするも善にするも本人次第だと言えます。

ここ数年、貸金業法の施行や過払い金請求などで貸金業社には大きな逆風が吹いており、大手の消費者金融も会社更生法の適用を受けたり経営悪化するところが続出しています。
大きな収入源だったキャッシングの利用が大きく減ったことで、収益をあげやすいリボ払いの利用を勧めています。

経営が苦しくなった消費者金融が銀行の子会社になっているケースもありますね。
SBI新生銀行はレイクを子会社とすることでカードローン事業を2011年10月に開始しました。
銀行のカードローンは総量規制の対象外ですね。
他にもオリックス銀行2012年3月にカードローン事業を始めました。
銀行も住宅ローンなどでは貸付金利が低い為、収益が低くなります。
なので比較的高い金利を設定できる商品を組み込んでくるところが増えてきました。

消費者として考えるべき大切な事は、借りにくいから借りやすい所を探すという「借りる」という選択が本当に正しいのか考え直す必要があります。

借りにくい現状を打破していくには
・限られたお金の中でやりくりできる能力を身につける事
・稼ぐ力を身につける事
・収入や収益の中から返済できる場合にだけ借金を上手に利用する事
・その借金が自分と周りを幸せにするお金が考える事

これらの事を考え人生のお金のプランニングを立てることでその借金が必要なのか不要なのか判断できると感じます。

なぜ、貸金業法が施行されたのか、リボ払いを勧めるのか、銀行がカードローン事業を始めたのか、理由を読み解いていくと広告や目先の損得にとらわれずにお金と付き合っていくことができますね。

これまでのお金との付き合い方は最善だったのか ? としっかり考え「借りる」以外の選択肢を増やし、「借りる」体質を改善していくこと。
貸金業法の真の目的はそこにあるのではと感じます。


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この記事担当のFP

二宮 清子 にのみや きよこ

日本FP協会会員 ファイナンシャルプランナー(AFP)
家計の見直し・節約・貯蓄の重要さ、更に運用の必要性を伝え、
強い家計にできるようにサポート、また住宅ローンアドバイザーの資格も取得し、
住宅購入をきっかけにお客様のライフプランのアドバイスを行っている。


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