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第017回 多重債務者に陥らないために(2011年07月15日)

2010年6月に改正貸金業法が施行されて以降、キャッシングやカードローンなどの借金で苦しむ人が大幅に減ったかと言えばそうではありません。現在も多重債務で苦しんでいる人は多くいるのは事実です。


下記表は、株式会社日本信用情報機構が公表をしている消費者金融等貸金業者を利用している方のデータです。

【多重債務者に関する情報(2011年6月末現在)】

貸金業者貸付残高

10兆6,770億円

貸金業者利用者

1,453万人

3ヵ月以上滞納者

457万人


 

貸金業利用者

一人当たり残高

貸金業者1社利用

801万人

41.9万円

〃2社利用

332万人

78.8万円

〃3社利用

170万人

115.2万円

〃4社利用

85万人

151.2万円

〃5社以上利用

66万人

221.1万円

合計

1,453万人

73.4万円


(出所)株式会社日本信用情報機構ホームページhttp://www.jicc.co.jp/company/jicc-data/index.html#touroku


多重債務者とは、複数の消費者金融などからお金を借りていることをさし、特に、多額のお金を借りた結果、返済が困難になっている人をさします。例えば、上記表で言えば、貸金業者5社以上を利用している人などが多重債務者に該当するといえます。少なくとも数十万人〜100万人規模で多重債務者は存在することになり、しかも3ヵ月以上滞納している方は457万人となっています。


どうして多重債務者になってしまうのでしょうか。
そこにはいろいろ理由は考えられると思いますが、例えば次のようなケースが考えられます。
@計画性のない買い物などにより借金が膨らんだ、A失業により借金せざるをえなかった、などなど。


@のケースの場合、無駄な出費を抑え、収入の範囲内での買い物をすれば、少なくとも多重債務者にはなっていないと思われます。また、Aのケースの場合は致し方ない面もありますが、万が一の場合に備えて、生活費として収入のいくらかを蓄えていれば、なんとかなったかもしれません。失業給付を考慮すると、一般的に生活費として収入の3〜6ヵ月分ぐらいを前もって貯蓄しておけば、借金を重ねる生活にはならないでしょう。


つまり、前もって貯蓄をしておくこと、計画的な行動をすることで多重債務者には陥らなくなる、といえます。
また、何のための借入れかを明確にすべきです。無駄な出費による借り入れは厳禁です。
ボーナスで返せばよいという発想など、いろいろあるかもしれませんが、ボーナスだって減らされる時代ですから、あてにしてはいけません。また、毎月の生活費のために借金をする場合には、借金が膨れていく可能性が高く、多重債務者に陥りやすいといえます。そうした場合には、収入が減ったならそれにあわせた生活をすべきといえます。少なくとも、毎月の収入でやりくりできるようにしなければ、多重債務者への道を歩みかねないといえます。


借金が当たり前、とならないようにするにはどうすればよいでしょうか。
当たり前と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、やはり家計簿をつけてみるのは一番効果的だと思います。
家計簿をつけることにより、1ヵ月あたりの支出額が明確になりますし、余分な支出が明確になっていきます。
しかも、家計簿をつけていくにつれ、支出が気になるようになり、無駄な出費を自然と削減するようになっていきます。


家計簿つけてみようかなと思った方、すぐにでも実践してみましょう。
まずは毎日買い物をしたレシートを集めるところから始めてみましょう。継続は力なり、あきらめずに。

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この記事担当のFP

伊藤 亮太 いとう りょうた

2007年11月 スキラージャパン株式会社設立。取締役に就任。
東京スクールオブビジネス非常勤講師(ファイナンシャルプランニング)
ファイナンシャルプランナーとして活動中


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