答えて応えて!FP
第039回 キャッシングの利息について計算してみよう(2011年10月05日)
Q,皆さん、お金を借りた時の利息の計算方法ってわかりますか?
ここではキャッシングを行った場合、利息を実際どれぐらい支払う必要があるのか、
簡単な事例でみていきたいと思います。
まず利息の計算方法についてお話しします。利息の計算方法は大きく分けると2種類あります。
単利 | 元金部分に対してのみ利息がかかる計算方法 |
複利 | 元金だけでなく利息に対しても利息がかかる計算方法 |
お金を借りた場合の利息の計算方法は、単利になります。
つまり、借りたお金の部分にしか利息はかからないということになります。
一方、複利はお金を預ける場合(例えば半年複利型の預金など。
ただしすべての預金が該当するわけではない)で使われます。
それでは実際にキャッシングを行った場合の利息の計算をしていきましょう。
上記のとおり、キャッシングにおいては単利による計算になります。利息の計算式は下記の通りとなります。
【支払利息の計算】借入金額×年利(%)÷365日×借入日数
例えば、今、借入を10万円、年利15%で30日間行ったとしましょう。
この場合の利息はいくらになるかというと、10万円×15%÷365日×30日=1,232円と計算できます。
つまり、借り入れてから30日経過後には10万円+1,232円=10万1,232円を返済するればよいことになります。
次に、一気に返済するのではなく、何回かにわけて返済していく場合の利息の計算をみていきましょう。
ここでは2通りの返済方法を見ておきたいと思います。
@元金均等返済方式の場合
元金均等返済とは、毎回の返済時の元金部分は定額、利息部分が変動する返済方式になります。
この場合には、下記の計算式にて毎月の返済額や支払利息が決定されます。
・第一回目の返済額及び支払利息計算方法
【毎月の返済額】借入金額(元金)÷支払回数
【支払利息】借入金額(元金)×年利(%)÷365日×30日
※1ヵ月は便宜上30日として設定
【借入残高】借入金額(元金)−毎月返済額
・第二回目以降の返済額及び支払利息計算方法
【毎月の返済額】第一回目と同じ
【支払利息】借入残高×年利(%)÷365日×30日
【借入残高】借入金額−毎月返済額
具体的には、以下のような計算を行うことで毎回の支払利息及び返済金額は計算できます。
〔例〕借入金額10万円を年利15%で10回(10ヵ月)で返済する場合
・第一回目の返済額及び支払利息計算方法
【毎月の返済額】10万円÷10回=1万円
【支払利息】10万円×15%÷365日×30日=1,232円
【借入残高】10万円−1万円=9万円
※実際の第一回目の返済額は、1万円+1,232円=1万1,232円となります。
・第二回目の返済額及び支払利息計算方法
【毎月の返済額】第一回目と同じ1万円
【支払利息】9万円×15%÷365日×30日=1,109円
【借入残高】9万円−1万円=8万円
※実際の第二回目の返済額は、1万円+1,109円=1万1,109円となります。
この計算を上記の場合10回目まで行うことで利息を含む総返済額を計算することができます。
A元利均等返済方式の場合
元利均等返済とは、毎回の返済時の元金部分と利息部分の合計額が定額となる返済方式になります。
この場合には、下記の計算式にて毎月の返済額や支払利息が決定されます。
・第一回目の返済額及び支払利息計算方法
【支払利息】借入金額(元金)×年利(%)÷365日×30日
【元金充当部分】毎月の返済額−第一回目支払利息
【借入残高】借入金額(元金)−元金充当部分
・第二回目以降の返済額及び支払利息計算方法
【支払利息】借入残高×年利(%)÷365日×30日
【元金充当部分】毎月の返済額−その回の支払利息
【借入残高】借入金額−元金充当部分
具体的には、以下のような計算を行うことで毎回の支払利息及び元金充当部分は計算できます。
〔例〕借入金額10万円を年利15%で10回(10ヵ月)で返済する場合
・第一回目の返済額及び支払利息計算方法
【毎月の返済額】10万円÷10回=1万円
【支払利息】10万円×15%÷365日×30日=1,232円
【元金充当部分】1万円−1,232円=8,768円
【借入残高】10万円−8,768円=9万1,232円
※実際の第一回目の返済額は、1万円となります。
・第二回目の返済額及び支払利息計算方法
【毎月の返済額】10万円÷10回=1万円
【支払利息】9万1,232円×15%÷365日×30日=1,124円
【元金充当部分】1万円−1,124円=8,876円
【借入残高】9万1,232円−8,876円=8万2,356円
※実際の第二回目の返済額は、1万円となります。
以上のような計算方法にて利息及び返済額は計算できます。借入れを行う前などに試しに計算してみるとより返済時の対応をどう行えばよいか具体策を考えることができるようになるといえます。
この記事担当のFP
伊藤 亮太 いとう りょうた
2007年11月 スキラージャパン株式会社設立。取締役に就任。
東京スクールオブビジネス非常勤講師(ファイナンシャルプランニング)
ファイナンシャルプランナーとして活動中
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