答えて応えて!FP
第038回 借入先により異なる金利(2011年10月01日)
Q,お金を借りるときの金利は、どこでも同じですか?
A,借金の金利は、借入先により異なります。
現在では、お金を借りることは本当に簡単です。テレビでは消費者金融やクレジット会社のコマーシャルが流れています。
どれを見てもにこやかなイメージですね。機械を使えば人と会わずに借りることも可能です。
しかし、返済が滞ったときの取り立ての厳しさも考えておくべきでしょう。当然のことですが、借りる時のようなにこやかな取り立てはありません。
■お金の借入先の判断基準
お金を借りる場合、最初に問題となるのは、どこから借りるかということです。
借りる相手によって金利等様々な条件は異なってきます。このポイントは、下記の5つです。
@金利が高いか低いか
A担保が必要かどうか
B手続きに時間がかかるかどうか
C審査が難しいかどうか
D取り立てが厳しいかどうか
この中でも金利は1番のポイントです。
■ お金を借りる目的をはっきりさせる
借金の目的によって金利は変わります。例えば住宅購入であれば住宅ローン、教育費が目的であれば教育ローン、
さらには自動車ローン等使用目的がはっきりしている場合は、金利は低くなる場合が多いようです。
反対に借金の使用目的に限定がないもの=使い道がフリーなものの場合は、金利が高くなる傾向にあります。
■ お金を借りる場合は、低金利を選ぶ
お金を借りるときは、条件の良い低金利を選ぶこと。このことは、当然のことと思われるかもしれませんが、
実は以外に実行されていないのです。なぜなら、高金利でも消費者金融やクレジットカードによるキャッシングが便利だからです。特に銀行の個人への貸し出しは、条件が厳しくその場で簡単に借り入れることは難しい場合があります。
しかし、よく考えてください。簡単に借りられるということは、理由があるからなのです。
1つは、高金利であること、2つ目は取り立てが厳しいということです。
■ お金の借入先
国や自治体では、低金利でお金を貸してくれます。また日本政策金融公庫などの公的機関でも低金利で借りられます。
しかし、使用目的が限られていたり、審査が厳しい等の条件があり、なかなか借りにくいのが現状です。
実は一般にあまり知られていないのですが、JA(農業協同組合)や労働金庫でもお金を貸してくれます。
組合員でなくても借りることができるのです。金利は消費者金融よりも低い金利です。
銀行等 |
JA.労働金庫等 |
消費者金融 |
---|---|---|
・金利は利息制限法以内 |
・金利が低い |
・金利は利息制限法を超えるヤミ金融もある |
一般的に取り立てはそれほど厳しくはない |
一般的に取り立てはそれほど厳しくない |
取り立ては厳しく、さらには悪質なものもある |
■まずは利息の付かない借金を考える
借金をする場合は、お金がない、あるいは足りないときです。
そしてこの借金は借りた金額に利息を加えて返済しなければなりません。ただでさえお金がないので、返すのは大変です。
言うまでもなく、借金は無利息や利息が低いことに越したことはありません。だからまずは親兄弟等身内から借りるのがベスト。返すことを考えたら頭を下げてでも借りるべきでしょう。そして最悪の借金がヤミ金融です。
借金をする場合は、時間がかかるかもしれませんが、返すことを考えて、少しでも金利の低いところを探して下さい。
返すときのことを考えれば、借入先を比較検討することは、とても重要なことなのです。
この記事担当のFP
菅田 芳恵 すがた よしえ
2005年 グッドライフ設計塾開業。
CFP(日本FP協会上級フィナンシャルプランナー)、
1級FP技能士として、コンサルティングや執筆、講演活動で活躍中。
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