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第035回 お金を借りるときの金利の決まり方(2011年09月22日)

Q,お金を返す時に支払う利息は、金利によって異なると聞きましたが、
金利は何によって決まるのですか?

A,金利は、お金を貸す側のコストやお金を借りた側の信用、担保の有無等によって決まります。


お金を借りると利息を支払う必要があります。
この利息に関する取り決めは、お金を借りるときの契約の中に書かれていてとても重要な事柄です。
一定の期間において支払う利息の割合を「金利」といい、借りた金額に対する利息の計算をするときに使用します。
お金を借りるときは、必ずこの金利を確認しましょう。


■ 利息の計算

借りた金額(元金) × 金利 × 借入期間 = 利息

例@:100万円を3%の金利で1年間借入したときの利息
    100万円 × 3% × 1年 = 3万円
例A:100万円を10%の金利で半年間借入したときの利息
    100万円 × 10% × 6ヶ月/12ヶ月 = 5万円

この利息を借りた金額に上乗せして返すことになります。

■ 金利の決まり方@ お金を貸すためのコスト
では、金利はどのようにして決まるのでしょうか?お金を貸すためには、貸すためのお金が必要になってきます。
そのお金を用意するために他から借りたとすればコストがかかってきます。また、貸すための事務の経費等もかかります。
例えば、銀行は企業や個人にお金を貸していますが、そのお金はどこから用意したのでしょうか?
答えは私たちの預金です。だから銀行にお金を預ける(実際は銀行にお金を貸しているのです)と銀行は
そのお金を借りているので利息を付けるのです。


例:100万円を0.03%の銀行の1年定期に預けたときの利息
  100万円 × 0.03% × 1年 = 300円


100万円を1年間銀行に預けている場合には300円の利息しかつきません。本当に今の預金の金利は低いですね。
ここでちょっと考えてください。お金を借りた場合の利息は結構高いけれど、お金を預金した場合の利息はとても低いということを。それは銀行が預金の利息や人件費等の事務経費を負担しなければいけないので、それ以上の金利を設定する必要があるからです。


■ 金利の決まり方A お金を借りる人の信用
お金の貸し借りは、契約によって成り立っています。お金を借りる人の信用を基に金利が決められるのです。


・高い信用があれば、返済できない可能性が低くなるので金利も低めに設定される
・信用が低ければ、返済できない場合を想定して金利は高めに設定される


銀行の預金金利が低いのはまさにこの信用です。
銀行は、私たちにとっていつでも返済してくれるのでとても低い金利であっても、納得して預けているのです。


■ 金利の決まり方B 担保の有無
貸す側にとっては、万一返済が行われない場合でも、損をしないように担保が必要な場合があります。
担保とは、借金の返済ができなかった場合に備えて、自分の財産や保証人などで保証をすることをいいます。
担保がある方が、金利は低めに設定されます。


■ 金利の決まり方C 需要と供給のバランス

需要と供給の関係によっても金利は異なってきます。


・借りたい人が多くなり、貸したい人が少なくなると金利は上がる
・借りたい人が少なくて、貸したい人が多くなると金利は下がる


経済の状況を考えると好景気の時は金利が上がり、不景気の時には金利は下がります。


■ 不景気の今は借り得?

現在の経済の状況は不景気で、収入が少ないためお金を借りたい個人は多くなっていますが、
反対に企業は物を作っても売れないので設備投資や工場建設を控えています。
金額的には圧倒的に企業が多いので、個人がいくら多くなっても、市場的には金利はそれほど高い状況ではありません。
しかし、市場の金利が低いからといって今借りようと考えるべきではありません。
なぜなら、金利は上記の4つの項目が複雑に絡み合って決まるからです。
信用がない人は、いつの時代でも高い金利を支払わなければいけないことに変わりはありません。

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この記事担当のFP

菅田 芳恵 すがた よしえ

2005年 グッドライフ設計塾開業。
CFP(日本FP協会上級フィナンシャルプランナー)、
1級FP技能士として、コンサルティングや執筆、講演活動で活躍中。


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