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第133回 おまとめローン(2012年09月26日)
おまとめローンとは、複数の借入れを低金利によるローンに一本化してまとめ、借金総額を減らし、毎月の元金支払いや利息支払い分を減らすための借金返済プランです。
■どんな時に利用するのか
金融会社から複数のローンを組んでいたり、消費者金融などの複数他社から借入れをしている場合、各借入れへの毎月返済や振込手数料などの管理に手間がかかってしまいます。特に消費者金融から50万円以下の小口融資を複数利用している場合は、高利率での金利を支払う羽目になっていることが圧倒的に多いのです。
■複数の借金を一本化した場合のメリット
ローンをまとめた場合の最大のメリットは、借金の減額スピードが格段に加速することです。
例えば、100万円を実質年利20%で借りている場合1カ月分の利息は
1,000,000円 × 20% × 1/365日 × 30日 = 16,438円
仮に毎月の支払額を20,000円とした場合、元金に充当される分は
20,000円 − 16,438円 = 3,562円
支払総額の約1/6(17%)しか元金に充当されません。
これを実質年利12%の低金利ローンで借り換えた場合はどうなるのでしょうか。
1ヶ月分の利息は
1,000,000 × 12% × 1/365日 × 30日 = 9,863円
毎月の支払額を20,000円とした場合、元金に充当される分は
20,000円 − 9,863円 = 10,137円
支払総額の約半分(51%)が元金に充当されることになります。
以上は一例ですが、低金利のローンに借り換えるだけでもメリットは大きいことがお分かりになったと思います。
現在の借金全てを一本化することにより、上記のような恩恵はもっと大きくなります。
だから、一度に借金全部を一本化できなくても、1つでも2つでも多くまとめ、最終的に全ての借金を一本化できれば、借金完済へ大きく前進するのです。
■おまとめローンを利用する場合の注意事項
@現在利用しているローンの利息と比べてみよう
もしも現在の金利の方がお得なのであれば、まとめたり借り換えせずに、融資枠を増額してもらえるように交渉してみましょう。融資枠の増大が可能であるということは、その人の与信が向上しているということにもなりますので、限度額の増加に加え、金利を下げてもらえる可能性もあります。
A返済期間は慎重に検討しよう
低金利といっても、長期の返済プランを選択した場合、毎月の返済額を抑えることは可能ですが、結果的に利息支払額がかさみ、最終的な支払総額が大きくなってしまうこともあります。返済額と返済期間の両面から検討しましょう。
Bおまとめローンは借金を帳消しにするものではありません。
おまとめローンや低金利への借り換えは、元々あった借金の返済プランを変更したにすぎず、実際の借入れがなくなるわけではありません。他社からの借り入れは控えることが必要です。
この記事担当のFP
菅田 芳恵 すがた よしえ
2005年 グッドライフ設計塾開業。
CFP(日本FP協会上級フィナンシャルプランナー)、
1級FP技能士として、コンサルティングや執筆、講演活動で活躍中。
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