答えて応えて!FP
第076回 複数のカードの返済方法(2012年01月15日)
複数のカードを保有し、カードローンを利用している場合、どのように返済すれば賢く返済できるといえるでしょうか。
まず、あれこれ検討する前に、利用しているカードローンの内訳を整理してみましょう。
どこでいくらぐらい利用しているのかすら明確でない場合は多いと思います。
づいてみたらびっくり!ということにならないように、まずは利用しているカードローンに何があるのか書き出してみましょう。
次に、整理したカードローンの利用残高と金利を表にまとめてみましょう。例えば、下記のように整理します。
<カードローン利用例@>
|
借入残高 |
月々の返済額 |
金利 |
カード@ |
20万円 |
10,000円 |
12% |
カードA |
30万円 |
10,000円 |
14% |
カードB |
30万円 |
10,000円 |
15% |
例えば、利用例@の場合、月々の返済額はすべて同じですが、借入残高と金利が異なっています。
この場合には、借入残高が多く、かつ金利の高いものから優先的に返済を行っていくのが賢い返済方法といえます。
つまり、カードBが借入残高、金利ともに最も高い(多い)ため、余裕資金がある場合には、
繰上返済を利用して返済していくとトータルの金利負担は軽くなるといえます。
なお、返済する順序をどうすべきかは、借入残高×金利÷12、つまり1ヵ月あたりの利息を比較することで明確になります。
上記の事例ですと、
カード@:20万円×12%÷12=2000円
カードA:30万円×14%÷12=3500円
カードB:30万円×15%÷12=3750円
したがって、早く返済する順序は、カードB⇒カードA⇒カード@の順がよいといえます。
<カードローン利用例A>
|
借入残高 |
月々の返済額 |
金利 |
カード@ |
20万円 |
5,000円 |
15% |
カードA |
50万円 |
12,000円 |
12% |
カードB |
100万円 |
20,000円 |
10% |
それでは、利用例Aの場合はどうでしょうか。
この場合にも、借入残高×金利÷12、つまり1ヵ月あたりの利息を比較することで明確になります。
上記の事例ですと、
カード@:20万円×15%÷12=2500円
カードA:50万円×12%÷12=5000円
カードB:100万円×10%÷12=8333円
したがって、早く返済する順序は、カードB⇒カードA⇒カード@の順がよいといえます。
この事例では、一見、金利の高いカード@に目が行きがちですが、
借入残高が多いカードBのほうが断然支払利息は多くなります。したがって、1ヵ月あたりの利息を計算することで、
早めに返済する順序を明確にし、あとはどのように資金をねん出して早め早めの返済ができるか、検討していきましょう。
基本は毎月確実に返済していくこと、そして繰り返しになりますが、
できる限り日ごろから貯蓄を行い、たまったお金で優先順位をつけた順番に返済していくこと。
当たり前のことではありますが、これが最も賢い返済方法になります。
この記事担当のFP
伊藤 亮太 いとう りょうた
2007年11月 スキラージャパン株式会社設立。取締役に就任。
東京スクールオブビジネス非常勤講師(ファイナンシャルプランニング)
ファイナンシャルプランナーとして活動中
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