答えて応えて!FP

第043回 ショッピング枠の現金化ってどういう事?(2011年10月15日)

Q,最近、街中で「ショッピング枠を現金化します」という看板を見ることがあります。
どういう事でしょうか?

A,実質的には借金と同じ事です。
そしてクレッジト会社はこれらの行為を認めていませんので絶対に行わないで下さい。


 先日、街中で「ショッピング枠を現金化します」という大きな看板を見つけました。
これは違法なんだけど、騙される人がいるのかなぁと思う反面、消費者センターなどに行くと、ショッピング枠の現金化に対する注意喚起のチラシを多く見かけます。そこで、「ショッピング枠の現金化」はどういう事かお伝えしたいと思います。

 簡単にいうと、クレジットカードのショッピング枠でブランド物のバックを5万円で買います。
そして、そのまま質屋に持っていけば3万円か4万円ほど手に入りますよね。
その仕組みを利用し、それを目的とした業者もいるというわけです。

 基本的にクレジットカードには、買い物などをするためのショッピング限度額と、融資を受けるための
キャッシング限度額が設定されてるのが一般的です。

 2010年6月に完全施行された改正貸金業法により、原則年収の3分の1を超える借入れを
してはいけないという「総量規制」という法律が施行されました。そうなると、いくつものクレジット会社の
キャッシング枠を利用していてお金を借入れるという事ができなくなります。また、専業主婦などがお金を借りる際、
夫の同意書が必要になることになり、お金が借りにくくなる事態につけこんだものと思われます。
そこでショッピング枠を現金化しようというものですね。

 最近ではインターネットショッピングなどの仕組みを使って現金化するケースが多いようです。
インターネットで「ローン」や「融資」などで検索するとたくさんの関連業者がでてきます。この中に怪しげな雰囲気など微塵もないスピーディーで安心・安全を装い消費者をショッピング枠の現金化に誘い込もうとする業者があります。

 例えば、「5万円の商品を購入すれば4万円のキャッシュバック」などと書いてあり購入すると、
翌日4万円が自分の口座に振り込まれます。一方、業者にはクレジット会社から商品代金5万円が振り込まれます。
利用者へのキャッシュバックの4万円とクレジット会社への手数料および商品代金を引いた金額が業者の儲けになります。

 しかし・・・利用者には当然、後日クレジット会社から商品購入代金として5万円プラス手数料が請求されます。
目先の現金を手に入れても、それ以上の債務返済に追われます。

 更にクレジット会社は「ショッピング枠の現金化」は認めていませんので、契約違反でカード利用停止になる可能性もあります。「規則を知らずに現金化してしまった」という言い訳は通用しませんので、退会や利用停止だけでなく、
現金化した業者との共同の不法行為や詐欺として起訴される可能性もあります。

 このような事になったら「信用」を失うわけですから、ブラックリストに載り、今後の人生が生きにくくなります。
絶対に手を出さないようにしましょう。

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この記事担当のFP

二宮 清子 にのみや きよこ

日本FP協会会員 ファイナンシャルプランナー(AFP)
家計の見直し・節約・貯蓄の重要さ、更に運用の必要性を伝え、
強い家計にできるようにサポート、また住宅ローンアドバイザーの資格も取得し、
住宅購入をきっかけにお客様のライフプランのアドバイスを行っている。


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