答えて応えて!FP
第060回 自己破産を知る。(2011年12月09日)
Q.自己破産とはどういう事ですか?自己破産したらどうなるのですか?
A.自己破産は所有している財産を失う代わりに、借金をすべて帳消しにする手続きです。
しかし、免責にならないこともあり、その後不便な生活を余儀なくされることもあります。
自己破産とは借金が重なり、自分の収入では返済の見通しが立たなくなった人に対し、残った財産を法的に公正分配する手続きです。しかし、返済原資となる財産がほとんどないことが多いので、破産決定と同時に手続きを終了し、実際の返済の義務を消滅させる免責という法的手続きに入ります。裁判所の免責決定により返済の義務は免除されます。破産決定及び免責決定は政府の新聞「官報」に公告され、破産者は新たなクレッジトやローンを最大で10年間利用できなくなります。
<自己破産の流れ>
@借金の返済ができなくなる。
クレジットカードで自分の収入以上の買い物をしてしまったり、安易にキャッシングすることで借金が増え、借金で借金を返済するようになりどんどん借金が増えてしまう。
A消費生活センターや弁護士に相談する。
弁護士に相談する場合、一定の費用がかかる。不安な時は消費生活センターに相談しましょう。そしたら、適切なアドバイスをしてもらえます。
B裁判所に自己破産を申し立てる。
弁護士の調査や判断で、返済の見込みがまったくないことがわかれば、裁判所に自己破産を申し立てる。(弁護士に頼らず、自分で申し立てることも可)
C裁判所で審査を受ける。
裁判所で多額の借金を抱えることになった事情や仕事のことなど聞かれ、免責の申し立てをする。
D自己破産が確定する。
裁判所に免責が認められると自己破産が確定し借金返済が免除され人生を再出発できる。
住所・氏名が官報に公告される。
<免責にならない事由>
・自分や他人の利益を図っている場合。
・債権者を害する目的がある場合。
・特定の債権者に特別の利益を与える目的で担保を提供したり、弁済期前に弁済するなどした場合。
・浪費やギャンブルのために借金したり、著しく財産を減少させたり、または過大な債務を負担した場合。
・株や先物投資のためにした借金。
・返済不能であることが明らかな事を隠してした借金。
他にもさまざまな項目があり、必ずしも免責になるとは限りません。
<自己破産のデメリット>
自己破産をすると信用情報機関に登録され、最大10年間はクレジットやローンを活用できないほか、公的な仕事に就けない、会社役員になれないなど生きていくのに不便になることがあります。また、大手の企業は官報をとってるところが多いので、周りの人に気付かれる事を防ぐことはできません。
平成6年 | 4 |
平成7年 | 4.3 |
平成8年 | 5.7 |
平成9年 | 7.1 |
平成10年 | 10.3 |
平成11年 | 12.3 |
平成12年 | 13.9 |
平成13年 | 16.1 |
平成14年 | 21.5 |
平成15年 | 24.2 |
平成16年 | 21.1 |
平成17年 | 18.4 |
平成18年 | 16.6 |
この記事担当のFP
二宮 清子 にのみや きよこ
日本FP協会会員 ファイナンシャルプランナー(AFP)
家計の見直し・節約・貯蓄の重要さ、更に運用の必要性を伝え、
強い家計にできるようにサポート、また住宅ローンアドバイザーの資格も取得し、
住宅購入をきっかけにお客様のライフプランのアドバイスを行っている。
二宮 清子 人気記事
- 第134回 借入可能額と金利の個人差 (2012年10月02日)
- 第129回 家族の借金の対処法 (2012年08月29日)
- 第073回 学生さんのためのクレジットカード入門 (2012年01月09日)
- 第068回 今年こそ、貯めたい!貯蓄ができる家計管理を (2012年01月03日)
- 第055回 「二重ローン」問題とは? (2011年11月26日)