答えて応えて!FP

第088回 サラ金業者への過払い金請求について(2012年02月20日)

Q.サラ金業者に払った利息が返還されると聞きました。どういった仕組みでしょう。

A、グレーゾーンの廃止により、適正な金利以上に支払ったお金は戻ってきます。

ここ、数年で街中の風景はずいぶんと様変わりしました。
以前は軒並み立っていた消費者金融の建物、ビルのテナントにも消費者金融業者が多数入っていましたね。
今では空室となっているところが目立ちます。

この消費者金融業者を追い詰めた「過払い金請求」、一時期は弁護士達のテレビCMもよく見かけました。
最近ではずいぶん落ち着いてきたように感じます。それでも、まだまだ過払い金請求の対象になる人は
多くいるのではないかと感じています。

多重債務等で借金が返済できなくなり、自己破産や任意整理等を行なおうと弁護士に相談した場合、
最初に「過払い金請求」はできないかと調べます。払い過ぎたお金は返してもらおうということですね。それで残債がぐっと
減れば本人もとても楽になり、弁護士自身もそこで報酬が発生するのでお互いのニーズにマッチしたのでしょう。


 それでは「過払い金の請求」とはどんなことなんでしょう。
利息制限法の上限金利は年15〜20%(借入元本が10万円未満の場合は20%、
元本が10万円以上100万円未満の場合は18%、元本が100万円以上の場合は15%)となっていますが、
以前は消費者金融と一部の信販会社はその上限を超える高金利で取引きしていました。
貸金業法の改正に合わせてどこも年15〜20%に変更しましたが、
大手の信販会社でも29.8%とキャッシングの金利はとても高いものでした。

弁護士が任意整理等をした時は原則として上記の上限金利を超える部分の支払いは無効になり、
元金を返済したものとみなされ、債務整理によって元金を減らすことができます。
また、払い過ぎた利息の額が元金を超える場合には、元金を超える部分は貸金業者に対して返還請求ができます。
これを過払い金の返還請求になります。

ケースによっては借金がゼロになったうえに、お金が戻ってくる場合もあるようです。
下記の表を見ても分かる通り、2010年6月〜8月まで、毎月500億円以上の利息返還がなされてます。
どれだけのお金が消費者金融業者に流れていたのか、そしてこれだけの返還請求がなされれば、
消費者金融業者のテナントが空室になるのもわかりますね。


☆どんな人が過払いの対象になるのか?
・5年以上消費者金融や信販会社でキャッシングしていたりと付合いがある場合、お金が戻ってくる可能性が高くなります。
・全額返済が済んだものでも、完済した日が10年以内なら、過払い金を請求することが可能になります。

☆デメリット
過払い金請求とは、債務整理をするという事になります。
通常、自己破産・任意整理等の債務整理をすると信用情報機関に記載されます。
なので過払い金請求をするデメリットとして信用情報機関に記載されることがあります。
そうなることで、5年から10年の間クレッジットカードが作れない、住宅ローンが組めない等の問題も起きる
という事は知っておきましょう。
金融機関からしてみれば、長期間サラ金と付き合いがあった人にお金は貸したくないでしょうから当然の事と言えます。
自分で崩した信用は何年かけてでもまた自分で作り上げていくしかないと腹をくくりましょう。

☆弁護士の選び方
最初は法テラスや消費者センター等に無料相談に行くのが良いでしょう。
そこで過払い金請求に強い弁護士を紹介してもらいましょう。日本各地に優秀な弁護士はいますが、
できれば近くの弁護士のほうが何かと、やり取りがスムーズにいくようです。

 

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この記事担当のFP

二宮 清子 にのみや きよこ

日本FP協会会員 ファイナンシャルプランナー(AFP)
家計の見直し・節約・貯蓄の重要さ、更に運用の必要性を伝え、
強い家計にできるようにサポート、また住宅ローンアドバイザーの資格も取得し、
住宅購入をきっかけにお客様のライフプランのアドバイスを行っている。


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