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第160回 金利がアップするときは、借金をする方がお得?(2013年08月22日)
消費税アップが2014年に迫り、史上最低の低金利がどうなるのか注目が集まっています。
消費税がアップすれば、物の価格が上がり、一時的に金利が上昇すると言われていますが、どうでしょうか?
そこで金利について考えてみたいと思います。
<金利とは>
金利とは、簡単に言えばお金の値段。基本的には、お金を借りる側と貸す側のバランスで決まります。借りる側では、何かを購入しようと計画しているが、現在の資金では足りない。貸す側は、現在使う予定のない資金を将来に備えて蓄えておきたい。このような状況でお互いの利益が一致したところで値段がきまります。
このように金利はお金の需要と供給のバランスで決定されます。このお金の需給を判断するモノサシとして使われるのが景気、物価、為替の状況です。この動きによって金利は上昇したり、下降したりします。
<景気と金利>
景気の良しあしによって、金利は動きます。
低金利の現在、景気が悪いことは皆さんも認識していることでしょう。しかし、景気が良くなると金利が上がっていきますので、お金を借りるときの金利も上がっていきます。
<物価と金利>
物価と金利は、物価が上がると金利も上がり、物価が下がると金利も下がるという正比例の関係にあります。物価が上昇することをインフレといいますが、物の値打ちが上がり、お金の値打が下がることです。人々は、物の価額が上がる前に借金をしてでも物を買おうとします。そのためお金を借りる人が多くなり、金利がどんどん上がっていきます。
反対に物価が下がっていくことをデフレといいます。デフレは、インフレとは逆に物の値打ちが下がり、お金の値打が上がることです。将来安くなってから物を買おうとする人が増えます。
<インフレと金利>
物価が上昇することをインフレといいましたが、借金の金利とどうかかわってくるのでしょうか?ご存知のようにローンやクレジットの金利は、固定金利が多く、最初契約した金利が最後まで続きます。ということは低い金利で借りた場合、インフレになって他の金利が上がっても、自分の借りた金利は変わらないことになります。
借り始めた自分のローンの金利 年2% |
この時借りるとローンの金利 年4% |
この時借りるとローンの金利 年5% |
景気がよくなりインフレになると市場の金利が上がり、上の表のようにローンの金利と国債の金利の逆転現象が起こることもあります。つまり、自分のローンの金利よりも国債の金利の方が高くなり、ローンの借金を返すよりも国債を買ってその利息を借金の利息に回した方が、得をするということ。とはいっても、お金を借りるということは、なかなか計画的にできるものではなく、その場で必要に迫られてということが多いので、このような逆転現象に出会うのは非常に幸運な場合と言えるでしょう。
この記事担当のFP
菅田 芳恵 すがた よしえ
2005年 グッドライフ設計塾開業。
CFP(日本FP協会上級フィナンシャルプランナー)、
1級FP技能士として、コンサルティングや執筆、講演活動で活躍中。
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