答えて応えて!FP

第031回 貯金ができてはじめて借金ができる。(2011年09月04日)

Q,貯金もあるのに借金もあるという人がいますが、なぜ貯金で全額返済しないのでしょう?

A,貯金があるからこそ借金ができるということが、お金の世界ではあります。


 ここ数年、レバレッジという言葉をよく耳にします。どういう意味かというと、「てこの原理」を利用するということですね。
てこを使えば軽い錘で重い荷物を動かせるように、レバレッジを使えば少ない自己資本で大きな資本を動かせるということです。具体的に言えば100万円しか持ってないけれど、1,000万円の物を買うことができる。主に不動産投資や株式の信用取引、FX等で用いられる手法です。

 「おーすごいなぁ」と思われるかもしれませんが、基本的にレバレッジをかけるにはレバレッジが効かなくなった時の保証というものが必要になります。それが、担保であったり証拠金であったりします。
 このレバレッジ、投資家にしか使えないものでしょうか?私はそうは思いません。


 どうしても大金が必要になった時、貯金が少しでもあれば、返済の当てがあるというものです。
そして借金をしてたとしても心に余裕が持て、毎月の少しずつの返済で大きな物だったり素晴しい物を手に入れる事ができます。こうなればその借金は豊かに暮すための手段となりますね。

何か素晴しい物を手に入れたいのであれば、少しずつでも貯金を始めましょう!
少しでも貯金が貯まってくればこのようにレバレッジをかけて早く手に入れることも可能になります。
借金は決して悪い事ではないのです。計画的に貯金ができれば、借金をしたとしてもキチンと返済していけるでしょう。
そのような能力を身に付けるためにも少しずつでも良いので貯金をする習慣を身に付けていきましょう。

決して、生活の補填としてローンを利用することなく、何か夢や目標を達成させる為の一つの手段として利用するようにして、「その借金は自分や周りの人を幸せにする借金ですか?」との問いを自分に投げかけてみてください。そこでキチンとした返済計画が立っていれば安心して返済していく事ができ、誰かに辛い思いをさせたり借金に追われるというようなことのない日々の生活を送れるはずです。


 他にも、レバレッジをかける時に私がお客様にアドバイスする時は、
「何か大きな借金をする時でもある程度の現金(貯金)は残すようにして下さい」と伝えます。素晴しい物を手に入れたとしてもいざという時に現金がないと不便ですよね。手元に現金がなく、また借金をしてしまうという事にだってなりかねません。


 このように、お金を自分や周りの人を幸せにするための道具として捉えると借金も有効に使えるものです。

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この記事担当のFP

二宮 清子 にのみや きよこ

日本FP協会会員 ファイナンシャルプランナー(AFP)
家計の見直し・節約・貯蓄の重要さ、更に運用の必要性を伝え、
強い家計にできるようにサポート、また住宅ローンアドバイザーの資格も取得し、
住宅購入をきっかけにお客様のライフプランのアドバイスを行っている。


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