答えて応えて!FP

第033回 なぜお金は借りることができるのか(2011年09月13日)

Q,素朴な疑問なのですが、なぜお金を他人から借りることが可能なのでしょうか?
私なら返してくれるか不安で貸せません。

A,それは、お金を貸す側がお金を借りる側を「信用(できる)」と考えるからです。
だから信用できない人には、お金は貸してくれません。


借金できるのは、それだけ信用があるからだと、自分の借金の多額さを自慢している人がいますが、考えものです。
何か欲しいものがあって、お金が足りないときはまずは「貯蓄」です。しかし、貯蓄で十分なお金が貯まるのを待っていたら間に合わないときや緊急に必要な時はお金を借りる必要がでてきます。この時にあなた自身の信用がものをいうのです。
信用は、財産があるとか、定期的な収入があるとか、正社員とか、性格がきちんとしているとか、約束事を守れるか等総合的に判断されます。


■ 返すときは借りた以上になる
お金を借りるときは、お金を貸した側に対して元の金額以上のお金を返す必要があります。身内での貸し借りの場合は、
借りた金額で済むかもしれませんが、一般的には預貯金の金利よりも高い利息を払わなければなりません。
したがって、金利が高ければ、利息が多くなるので返すときの金額がとても高額になってしまいます。返すのが難しくなる原因の1つです。そこでお金を借りるときは、「借りられるかどうか」よりも「返せるかどうか」が重要になってきます。



■ お金を借りることができる理由
では、なぜお金を借りることができるのでしょうか?皆さんはレンタルビデオ店でビデオやCDを借りたことがあると思います。レンタルビデオ店では、レンタル期間の長さや借りる本数で料金が異なり、ルールに基づいて決められた日に返さないと延滞料がかかってくる仕組みです。4本1,000円で安かったと喜んでいても、返すのを忘れて遅くなると5,000円やT万円が延滞料というケースもあります。
このルールは、借りた側とレンタルビデオ店との間に交わされた取り決めで、当然守らなければいけない「約束」であり、あらかじめ書面等に書いてあります。読んでいる人はほとんどいないかもしれませんが、ビデオ店は、借りた側がきちんと約束を守る人だと信用してビデオを貸しているわけです。


■ 大事な信用
これと同じでお金を借りる時も、後で返す「約束」をすることにより、借りる人に「信用」があるかが大きなポイントになるのです。だから銀行からお金を借りたいと思っても借りられない人もいます。その違いは、お金を貸す側から見て、その人が「信用」できそうな人かどうかから生まれます。


■ 約束を裏付ける「契約」
お金を貸す側がいくら「信用」したとしても口約束だったり、お互いの話だったりすると、その約束が必ず守られるかどうかという保証はありません。「貸した」「借りていない」等の金銭トラブルは後を絶ちません。そこで、もしものときにその約束を守らせる法律上の裏付けが必要となり、そこから生まれたのが「契約」。約束の内容を書面で明確にした「契約書」が作られ、お互いに内容を確認して了承したことを証明するために署名して印鑑を押すことになります。
「お金を貸して下さい」と銀行に申し出て、相手が「貸しましょう」と承諾すれば契約は成立しますが、違反すれば裁判所に訴えられたりします。具体的には、めぼしい財産を差し押さえられたり、持って行かれたり、賠償金を払わされたりすることになります。それは、お金を借りた側がきちんと契約を守らなかったせいです。


■ 契約書は必ず内容を確認する

契約は、とても重要なもので契約書をきちんと確認せずにお金を借りる人を時々見かけますが、これは大問題です。
読んでいないから知らないでは済まされません。一度交わした契約は了承した、しないにかかわらず有効です。
お金を借りる場合は、きちんと契約通りにお金を返せるかどうか、よく考えないと契約違反で訴えられる等とても厳しい点があることを忘れてはいけません。あなたの信用が試されているのです。

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この記事担当のFP

菅田 芳恵 すがた よしえ

2005年 グッドライフ設計塾開業。
CFP(日本FP協会上級フィナンシャルプランナー)、
1級FP技能士として、コンサルティングや執筆、講演活動で活躍中。


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